ACOUSTICLUB Vol.3 Archive

17名の管打楽器奏者のためのシンフォニア「アレッタ」 - 川島素晴

作品解説
アーティスト紹介

17名の管打楽器奏者のためのシンフォニア「アレッタ」

今回演奏するのは、東京音楽大学の3年生を中心とするアンサンブル団体である。そのメンバーの多くは、彼らが1年生のときから私が副科和声の授業を担当しており、顔馴染みであったことから、その団体のための新作を書いて欲しいと頼まれていた。本来なら昨年のうちに彼らが主催する学内の企画で初演することになっていたが、企画自体が流れて先行き不透明だった中、今回、私の本務校である国立音楽大学の卒業生が中心に組織した本企画のゲストの話があり、音大の垣根を超える企画主旨にもちょうど適合するし、渡りに舟とばかりにここでのお披露目と相成った。
彼らの自主公演ではないので、主催者指定日時にメンバー全員が揃わなかった。本来男子ばかりの団体だが、今回は何名かのエキストラメンバーが入っており、クラリネットには卒業したてのゲストを紅一点として迎える。その西村明穂さんは、私の難曲《無伴奏 Kla-vier ソナタ》を演奏したことがあるヴィルトゥオーゾで、勢い、当初の予定以上にクラリネットがソリスティックに活躍することとなった。(とはいえ、編成的に高音域が可能な木管は唯一クラリネットのみなので、いずれにせよソリスティックな場面は多くなる予定ではあったが。)
団体名である「アレッタ」を冠したシンフォニアとして構想したこの作品は、翼の意味であることから、鳥がフィーチャーされている。また、この名前の綴りから「A-E-A」を抽出した音列が主要主題となり、且つ「アレッタ」という発音のリズムもこの主題とともにある。私の普段の創作姿勢や着想を、いかにして吹奏楽のスタンダードなイディオムと整合させるか、ということを主軸に、金管楽器主体のこの編成が自由気ままに飛び翔くイメージを展開している。

川島素晴

作曲家。東京芸術大学、同大学院修了。1992年秋吉台国際作曲賞、1996年ダルムシュタット・クラーニヒシュタイン音楽賞、1997年芥川作曲賞、2009年中島健蔵音楽賞、2017年一柳慧コンテンポラリー賞等を受賞。いずみシンフォニエッタ大阪プログラムアドバイザー等、現代音楽の企画・解説に数多く携わり、2016年9月にはテレビ朝日系列「タモリ倶楽部」の現代音楽特集にて解説者として出演。指揮、ピアノ、打楽器、声等、自作や現代音楽作品を中心に様々な演奏活動にも携わっている。日本作曲家協議会理事。国立音楽大学准教授、東京音楽大学、尚美学園大学各講師。

アンサンブル「アレッタ」

2017年1月1日に東京音楽大学の管打楽器の男子17人で結成したグループです。(現在3年次在学中)
クラリネット、サックス、トランペット、トロンボーン、ユーフォニアム、テューバ、パーカションという面白い編成でどこまで音楽の素晴らしさ楽しさを伝えられるかということで、音楽に熱き男達が集結しました。熱い演奏をお届けします。

Cl:西村明穂(賛助出演)
Sax:西翔, 宮本皓
Trp:加藤昌道, 清川大介, 伊藤太人, 小林佑太郎, 金田崚太
Trbn:吉江賢太郎
B.Trb:玉置龍執
Euph:中里周作
Tub:松本匡偉, 丸山周穂
Perc:森山拓哉, 尾形賢一, 西村充, 植田晴